先輩からのメッセージ

地域のあり方を深く考えた分大経済での経験

平木 瞳さん

経済学部 地域システム学科

卒業生(2017年3月卒業)

私の仕事は、その地域に住んでいる方が今後も豊かに暮らしていくためには、どうしたらよいのかを考え、提案・実践することです。地域が抱える問題は様々で、課題の本質や解決方法も地域によって異なります。このような地域課題に取り組む姿勢の基礎を学んだのは、大学の授業やゼミでの研究活動でした。私は、地域システム学科に所属し、大呂先生のゼミで大分県姫島村の漁業経済について研究しました。ゼミでは『浅い提言より深い実態理解』を合言葉に濃密なフィールドワークを行い、現地に入り漁師さんの生の声を聞いたり、貴重なデータを提供していただいたりしながら、研究に取り組みました。
ゼミ活動では、「なぜこの地域では漁業従事者が減っているのか」を考察するだけで精一杯で、漁師さんの想いに応えて現状をなんとかしたいと思っていた私は、何もできない自分に対してもどかしい気持ちを経験しました。しかし、研究の結果をゼミ生全員と先生で本にまとめ、『漁に生きる-姫島漁業の模索』として出版できたことは、大きな自信になりました。何より、現状を正しく把握し、その地域における課題の本質を捉えることの大切さを学べた経験が、今の仕事にとても役立っています。
大分大学の強みは地方にあることです。技術の最先端は都会にあるかもしれませんが、社会課題の最先端は地方にあります。地方にあるからこそ、各地域に深く入り込み、教科書では学べない地方のリアルを知ることができるはずです。大分大学だからこその、実り多い学生生活を送ってほしいと思います。