審査委員長からのコメント

大分大学経済学部 仲本 大輔

 今年は、県内外から計1263件の応募がありました。4月に発生した熊本・大分地震を踏まえ「災害時の避難生活であると便利なモノ、仕組み、etc.のアイデア」も広く募り、これに対する応募も一定数ありました。昨年までは学内5人、学外2人の審査委員計7人で審査していましたが、今年は新たに大分大学COC+推進機構(学内)とJR九州リテール(学外)から各1人ずつ加わり、より幅広い観点からの審査を心掛けました。
 最終審査に残った10作品は全て、問題意識が明確で「なるほど」と思わせるものでした。中でも、グランプリと特別賞のCOC+賞を受賞した安東優有さん(大分商業3年)ら4人による「全国に発信“大分♥スイーツ 原尻の滝”」は、地元企業と協働で試作を重ねたゼリーで、福岡市内の百貨店で400個完売したことを示し、今後のさらなる展開が有望であることを非常に具体的かつ論理的に説明し、高く評価されました。
 大分合同新聞社賞と特別賞のJR九州リテールからの賞を受賞した板井瑠菜さん(同)の「安心保証つき母子健康手帳」は、災害時に困難な状況に遭うことが多い妊婦さんや子育て世帯に安心を提供でき、実現可能性が高い提案でした。県教委教育長賞を受賞した松本凜さん(鹿児島県市来農芸1年)ら2人による「臭いをとって商品開発」は、畜産業の課題解決と新商品開発を両立できる可能性を示し、既に具体的な行動に移していました。
 最終審査での発表中、「身近な場に何か課題がないかを思案し、いかに解決すればいいのかを考えることの面白さが分かった」と話してくれた高校生がいました。審査委員一同、大変うれしく思いました。今後も社会に優しいまなざしを向け続け、ちょっとした気づきを大切にしてほしいです。  


レビュー2016

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