審査委員長講評
大分大学経済学部 松隈 久昭
この度は「高校生なるほどアイデアコンテスト2012」に応募していただき、ありがとうございました。今回は20の高校から1,093件(1,348名)の応募がありました。この応募数は過去最多です。また、20件以上応募があった学校を対象として学校協力賞を贈りましたが、今回は10校になりました。
応募作品については、まず、書類による一次審査を行いました。主な審査基準は、独創性、新規性、実現性、高校生らしさです。高校生らしい独創的な作品が数多くみられましたが、一部すでに商品化されているものもありました。今後はインターネットなどで類似の商品がないか調べてほしいと思います。もちろん、既存の商品をもっと使いやすくしたもの、新たな機能を付け加えたものは応募してほしいと思います。
一次審査を通過した10組については、応募作品に関するプレゼンテーションを行ってもらいました。パワーポイントを使用したプレゼンが多かったのですが、どの組も練習の成果が出ており、わかりやすい説明が行われました。
審査の結果、グランプリには、中下郁恵さん(大分県立宇佐産業科学高等学校3年)の「USA3サンダル」が選ばれました。このサンダルを作成する目的は、裸足で生活している後進国の子供たちに贈ることです。また、サンダルの作成には、宇佐産業科学高校の4学科が連携し、製作、加工などを行っています。サンダルの材料としては、風呂マットやミサンガなど身近なものを再利用し、工夫していることが評価されました。
そして、大分合同新聞社賞には、大藤琴麿さん(愛媛県立宇和島東高等学校2年)の「カスタマイズドキーボード」が選ばれました。パソコンなどのキーボードの配列は、規格がありますが、配列に慣れるまでに時間がかかります。そこで、50音順など、使用者が自由に文字を配列できるというキーボードを示した点が評価されました。
また、大分県教育委員会教育長賞には、原田莉奈さん(大分県立大分商業高等学校3年)の「寝返りくん」が選ばれました。作品名のとおり、床ずれができないように寝返りを容易にする商品です。現在でも、電動でベッドの傾きを変えるものがありますが、この作品は空気を膨らませることで体の向きを変えています。介護現場などでの床ずれ防止の作品として評価されました。
その他の7作品も、新規性、独創性などの観点から評価し、優秀賞、奨励賞、努力賞を決めました。詳細は入賞者一覧をご覧ください。
最後に、新しい商品やサービスの開発は、営利企業だけでなく非営利組織にとっても大きな課題となっています。今回応募された高校生の皆さんもアイデアを商品化する段階で悩み、考えたことと思います。アイデアの商品化については、図書館などで経営学やマーケティングに関する本を探してみてください。アイデアの創出方法や商品化のプロセスが説明されているので、参考になると思います。次年度も、高校生のみなさんの創造性あふれるアイデアの応募を期待しています。
受賞者の声
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《グランプリ》 |
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USA3サンダル 大分県立宇佐産業科学高等学校3年 中下 郁恵さん |
《特別賞・大分合同新聞社賞》 |
カスタマイズドキーボード 愛媛県立宇和島東高等学校2年 大藤 琴麿さん |
《夢発展賞・大分県教育委員会教育長賞》 |
寝返りくん 大分県立大分商業高等学校3年 原田 莉奈さん |
《優 秀 賞》 |
らくらくstop! ブックカバー 愛媛県立今治北高等学校2年 白石 理紗さん |
バリアフリーコンパクト☆ 済美学園済美高等学校1年 橋本 優里絵さん |
《奨 励 賞》 |
簡単ワンタッチ! シールで貼るGPS!! 済美学園済美高等学校1年 對馬 孝さん |
楽服 ~らくふく~ 大分県立大分雄城台高等学校2年 小野哲史さん,大嶋健文さん,田中風子さん,本田有紀さん |
《努 力 賞》 |
暑くない アームカバー (夏用) 宮崎県立宮崎商業高等学校1年 杉田 美香さん |
トイペトライアングル 大分県立大分雄城台高等学校2年 三宮大輝さん,清瀬健太郎さん,後藤健太さん,田原朋輝さん |
デっぱりこ 宮崎県立宮崎商業高等学校1年 上山 美優さん |