審査委員長からのメッセージ

大分大学経済学部 仲本 大輔

 まず、審査委員会を代表して、11回目を数える今回の「高校生なるほどアイデアコンテスト2015」に応募していただいたことに心から感謝いたします。今回は5県の20の高校から1296件(1551名)という応募件数、応募人数ともに過去最多の応募をいただきました。また、20件以上応募があった高校には学校協力賞を贈呈していますが、今回は12校でした。
 さて、このアイデアコンテストが募集しているのは、「地域に新しい活力と豊かさ、潤いをもたらすアイデア」です。そして未発表であり、独創性のあるもの(ユニークなもの)を広く募っています。
 まず、全ての応募作品について、書類による一次審査を行いました。主な審査基準は独創性、新規性、実現性、高校生らしさです。問題意識(アイデアを考えたきっかけ)がきちんと伝わってくる作品が多かったのですが、すでに商品化等されているアイデア、ほぼ同様の内容の複数のアイデアは書類審査の段階で残念ながら外しました。そして、一次審査を通過した10組に11月1日の二次審査でプレゼンテーションを行ってもらい、それを評価しました。一次審査の書類点、および二次審査の評価点により、10作品に各賞を贈呈しました。
 グランプリに選ばれた、愛媛県立宇和島東高等学校2年の田村結さんの作品「多機能非常持出袋」は、非常持出袋をレジャーシートとしてもカッパとしても使えるようにし、これらが占めている非常持出袋のスペースを他に必要なものに充てようというアイデアです。プレゼンテーションでは試作品も持参してわかりやすく説明したことが高く評価され、書類審査では2位だったものの、プレゼンテーションで最高点を獲得してグランプリに輝きました。
 次に、特別賞・大分合同新聞社賞に選ばれた、宮崎県立都城商業高等学校3年の指宿由希子さんの作品「昭和から平成へ時代と共にお菓子もGrowth」は、地元のお菓子「ねったぼ」を若者向けにアレンジすることで幅広い年齢層の人々に食べてもらうようにし、ひいては地域活性化につなげようというアイデアです。実際に何度も地元の老舗和菓子店と試行錯誤し、アイスを使った「ねったぼ」を開発して販売まで行っていること、さらに、アレンジしたどら焼きなども試作して販売したところ、30分で100個を完売した実績があることも高く評価されました。
 そして、夢発展賞・大分県教育委員会教育長賞に選ばれた、愛知県立緑丘商業高等学校3年の高田麻里奈さん・長尾春花さん・酒井貴登さんの「一日一善チャレンジ」は、1日に最低1回、その日に行った世間の役に立つことをつぶやくアプリを開発しようというアイデアです。アプリ内の掲示板で1回つぶやくことで1つのピースを獲得でき、それを集めることで1つの絵が完成できる仕組みを提案しています。世の中に一日一善を広めたい、そのための具体策を考えていることが評価されました。
 その他の7作品についても新規性等の観点から評価し、各賞を決めました。詳細は入賞者一覧をご覧ください。 こんなものがあったらいいな、こんなことができたらいいな、ということを思いつくのはなかなか難しいかもしれません。しかし、ちょっとした気づきを大切にし、それを解決するためにはどうしたら良いかということを常に心がけるようにしていれば、アイデアが出てくると思います。
 2015年には小学生が特許を取得したというニュースが大きな話題になりました。高校生の皆さんから、来年度もさまざまな作品の応募があることを期待しています。


レビュー2015

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